長野県の小布施町にある「信州小布施 北斎館」が、11月16日から特別展を開催中だ。
葛飾北斎は、その大胆かつ緻密な筆致で有名だが、特に読本挿絵の世界では、多くの奇想天外な怪力の人物を描き上げているという。「黒龍馬と化して里人を脳す」や「為朝荒磯に船を陸へ遣る」といった作品は、その代表例だ。北斎は40代後半からこの名を用いており、その読本挿絵の分野で特に卓越した技法を展開している。
70代に差し掛かった北斎には、武者絵の絵手本『和漢絵本魁』や『絵本武蔵鐙』がある。彼はこれらで「すべて勢ひを画んには風流古雅をはぶき俗意にして画く」と自らの表現方法を示しており、その描き方は観る者を圧倒する迫力を持つ。展示では、これらの版本作品を通して、北斎の画風の変遷にも注目することができる。
また、展示期間中には、北斎の作品をさらに深く理解するために、学芸員によるギャラリートークも開催予定だ。日程は11月23日、12月14日、1月11日の各土曜日で、午後2時から約1時間のトークが無料で楽しめる。これに参加するためには入館券が必要だ。
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