ハンバーグと仙台味噌煮！ 牛（ギュウ）ッと詰まった牛タンも♡

　年間1000軒を食べ歩く“食の伝道師”フォーリンデブはっしー（橋本陽）さんが、NEXCO東日本管内のSA・PAを旅して、ご当地グルメやワンハンドフードを味わい尽くします。いまやハイウェイめしは名店に勝るとも劣らないおいしさにレベルアップ。休憩利用で立ち寄るだけなんてもったいない。魅惑の“推しめし”をご紹介します。第5回は東北地方（福島・宮城）にある4つのSA・PAを巡りました。

四倉PA（下り）

　第5回のまんぷく旅は、常磐道の四倉PA（下り）からスタート。常盤沖から車で約15 分という好立地にある四倉PA（下り）では、漁港で水揚げされたばかりの新鮮な海の幸を刺身や焼き物で堪能できます。唐揚げなどの揚げ物も人気。おみやげコーナーには福島県・宮城県の厳選品が勢ぞろい。ウォークインゲートも設置されており、一般道から施設の利用ができます。

【イチ推しハイウェイめし】
国内有数の産地で水揚げされた魚介を贅沢に食べ比べ

　地元・久之浜漁港で水揚げされた魚介を競り落とし、お店でさばいた魚介4点盛り。刺身のネタは水揚げの状況により日替わり。その時季ならではの旬の魚介を贅沢に食べ比べできます。この日はホッキ貝、ブリ、スズキの昆布締め、ヒラメでした。「今日のネタは何だろう?」とつい立ち寄ってみたくなります。福島県産コシヒカリのご飯はおかわり自由。

はっしー：地元の漁港から直接仕入れた新鮮な魚介を定食スタイルで食べられるなんて、現地まで訪れる価値がある一品ですね。しかも1種類じゃなくて4種類。仕入れによって変わるようですが、脂の乗ったブリから大ぶりなホッキ貝など、いろいろ食べ比べできるのがうれしい。四倉（よつくら）PAだけに、「よっ」つの魚介を食べ「くら」べできる、ご当地定食ですね！

【イチ推しテイクアウトフード】
旨味が詰まったホッキ貝の炊き込みご飯！

　自家製の出し汁でホッキ貝を炊き込んだご飯。ところどころにある香ばしいおこげと旨味が詰まったホッキ貝は弾力があり、食感が楽しい一品に。タウリンを豊富に含むホッキ貝は、栄養満点で高タンパク。血圧上昇抑制効果や血糖値低下作用があります。8下旬からおにぎりにして再登場。

はっしー：自家製出汁とホッキ貝の旨味を吸った炊き込みご飯はおこげもあって香ばしい。弾力のあるホッキ貝の食感も楽しいですね。おにぎり協会のおにぎり大使もやっているほどおにぎり好きなので、これはおにぎりにしても美味しそう。常磐沖は国内でも有数のおいしい魚介が捕れるエリアなので、その魚介をPAで食べられるのはありがたいことですね。ぜひ旅の序盤（じょばん）に常磐（じょうばん）を！

阿武隈高原SA（上り）

　続いて訪れたのが、阿武隈高原SA（上り）。自然あふれる阿武隈高地に位置しているため、見晴らしがよく、過ごしやすい気候が魅力のSAです。フードコートには地元の特産品である三春そうめんやソースカツ丼、喜多方ラーメンなど郷土の味覚がそろっています。近くには日本三大桜の一つ「三春滝桜」や鍾乳石の数と種類が多い「あぶくま洞」など有名な観光地があります。

【イチ推しハイウェイめし】
ちゅるんとなめらか！ 幕府献上品「幻の三春そうめん」

　「三春そうめん」は江戸時代に幕府への献上品として三春にあったものですが、明治維新とともに消失。古文書を基に福島の麺匠・箭内芳雄さんの努力で約40年前に復元しました。幻の「三春そうめん」をより多くの人に知ってもらいたくて同SAがメニューを開発。季節によって温・冷で提供します。海鮮かき揚げとえび天付き。

はっしー： ちゅるんとなめらか！ 江戸幕府の献上品だった「三春そうめん」の今回は温バージョンをいただきました。ほっとするような優しい味わいで、旅の疲れも癒されます。三春（みはる）だけに、まさに目を「みはる」おいしさ。ボリュームを出すために揚げ物を2つも入れてくれて気分もアゲアゲ↗↗です。少し甘めのつゆを吸った天ぷらの衣も滋味深い。ぜひ冷バージョンも食べてみたいですね。

【イチ推しワンハンドフード】
ご当地フルーツをさわやかソフトクリームに！

　福島県田村市で採れた山ぶどうを使った阿武隈高原SA限定のソフトクリームです。口に入れると山ぶどうのほのかな香りと甘酸っぱさを感じられます。山ぶどうソフトクリームの原料である「山ぶどうジュース」や「山ぶどうジャム」もショッピングコーナーにて販売しています。

はっしー： 山ぶどうソフトクリームはとてもさわやかで好きですね。甘ったるくなくて、山ぶどうの香りがふわっと鼻を抜けて、香りもいいです。食べた後のさわやかさ、余韻まで軽やか。これもSAに立ち寄った時にふらっと買いたくなる、ご当地食材のスイーツですね。

国見SA（下り）

　歴史ある宿場町で、果物の名産地としても有名な福島県国見町にあるSA。20年にリニューアルした建物は現代版・宿場町の趣です。ご当地グルメや福島産桃を使った独自のスイーツなど、福島の美味や商品が多彩にそろいます。約400冊の「旅の思い出雑記帳」の展示や駄菓子コーナー、農産物の直売所もあり、全国各地の物産展などのイベントも好評です。

【イチ推しハイウェイめし】
独自のタルタルと相性バッチリ！銘柄鶏を豪快に味わう

　福島三大ブランド鶏の一つである「伊達鶏」のモモ肉1枚を自家製ダレで絡め、豪快に揚げたチキン南蛮。臭みの少ない「伊達鶏」独自の柔らかく弾力のある食感や、鶏本来の旨味が際立つ逸品です。土湯温泉（福島市）の温泉卵を混ぜ合わせ、自分で作る特製タルタルソースも◎。

はっしー：揚げた「伊達鶏」には甘酸っぱいタレがかかっていて、噛めば噛むほど弾力があってジューシー。まろやかな温泉卵をマヨネーズと合わせて、自分でかき混ぜて作るタルタルソースはエンタメ感もあります！ クリーミーな味わいが口の中いっぱいに広がりますね。卵ベースのマヨネーズに温泉卵と伊達鶏という、鶏×3のトリプルなおいしさが楽しめます！

【イチ推しワンハンドフード】
カリッと揚げたドーナツの中にモッチリ凍み餅！

　氷点下の屋外で寒風にさらし、凍らせ、ゆっくり自然乾燥させて作る福島の伝統的保存食・凍み餅。この凍み餅をドーナッツ生地で包んで揚げたご当地スイーツ。外はカリッと、中はフワッ、モチッの食感とヨモギの風味が魅力。ご自宅で楽しむ際は、食べる前にレンジで温め直すのがおすすめ。

はっしー：ドーナツの中にお餅を入れるという発想が斬新！ ドライブのお供にちょうど良い大きさで、個性的なおいしさに驚きますね。甘く香りの良いドーナツに、もっちりとした凍み餅がすごく合います。凍み餅にヨモギが練り込まれているから、さらに豊かな香りに。凍み餅という伝統的な保存食が福島にあるからこそ生まれたご当地おやつ。凍み天（しみてん）なだけに、しみじみ味わいたくなります。

【イチ推しワンハンドフード】
桃のオブジェに付いた蛇口からジュースが飲める！

　福島県を代表する甘味豊かな品種「あかつき」など、その日提供する県産桃の100％ストレートジュースが、巨大な桃のオブジェの蛇口から出てくる。さわやかな甘味と香りでゴクゴク飲め、週末には行列ができることも。SNSに動画が多数投稿される映えスポットでもあります。福島市にある菱沼農園特製のコク深い味わいが楽しめる「蛇口からりんごジュース」（400円／1杯）も人気。

はっしー：蛇口をひねってジュースが出るというだけでも楽しいですが、しっかりおいしい新鮮な100％桃ジュースが堪能できてビックリ。「あかつき」「黄金桃」「川中島白桃」など、時期によって桃の品種が変わるので、初めての方はもちろん、リピーターでも飲み比べが楽しめますね。蛇口をひねってカップに注ぐシーンは、誰もが動画撮影したくなります。誰もが“ピーチ姫”になれるような、かわいらしい演出です！

菅生PA（上り）

　次に訪れたのは菅生PA（上り）。フードコートには地元食材を活かした仙台名物・牛タンを味わえるメニューがあり、ショップには「食材王国みやぎ」特産品コーナーのほか地元銘菓・萩の月や喜久福などもあります。笹かまぼこなど地域の商材も充実させており、宮城の特産品やおみやげが陳列。施設内にウォークインゲートやガスステーションも備えられており便利です。

【イチ推しハイウェイめし】
仙台名物の牛タンを贅沢に、多彩に楽しめる一皿

　「ハイウェイめし甲子園」準優勝に輝いた、仙台名物の牛タンを多彩に味わう一品。牛タンの旨味が凝縮したハンバーグは、その味わいを引き立てる自家製タンシチューがかかり、ご飯（宮城県産ひとめぼれ）との相性が抜群。濃厚な「仙台味噌」で煮た炙り牛タンは、柔らかくコク深い。牛タンのひと味違ったおいしさを楽しめます。仙台名物ずんだのポタージュが付き、宮城県のよさが詰まったセットメニューです。

はっしー：仙台が誇る牛タンをハンバーグと味噌煮込みのダブルで、そのおいしさを余すことなく楽しめる逸品。ぎゅっと牛タンの旨味を詰め込んだハンバーグは肉々しく、コクのあるタンシチューが引き立ててくれます。もともと菅生PAで人気のハヤシライスを基にシチューを作っているので、ご飯との相性はバッチリ。味噌煮のほうは柔らかく煮込んであるので、口の中でお肉がほぐれていく柔らかさ。みんながハッピーになれるタン料理、ハッピーターン！

【イチ推しワンハンドフード】
ピリッとスパイシー。牛タンひき肉入りカレーパン

　仙台名物の牛タンが入ったカレーパン。柔らかく煮込んだ牛タンのコク、風味、旨味が溶け込んだ濃厚ルーをふわふわソフトな揚げパンに閉じ込めました。発売以来、「杜のパン工房」人気No.1の名物メニューです。

はっしー：ピリッとスパイシーなカレーはまさかの牛タン入り。その驚きも含めてご当地感のあるカレーパンですね。「宮城で牛タンを食べる」これだけでも話のネタになりますし、旅の思い出にもなるんじゃないでしょうか。テイクアウトで持ち帰って自宅でレンチンしても良いかも！

フォーリンデブはっしー（橋本陽）
グルメエンターテイナー。NEXCO東日本ハイウェイめしアンバサダー。今までに全国1万軒以上のお店を訪問。食で日本を元気にするため、総務省の地域力創造アドバイザーや農水省の国産食材アンバサダーも務めている。グルメに特化したInstagramはフォロワー数が約30万人。各種メディアをはじめ幅広く活躍している。